【体験談】転職ではなく「無職」を選んだ理由と、退職前に準備した事

悩みながら仕事をする女性 仕事

私は新卒入社した会社を5年勤めて退職し、現在は無職です。

会社員時代は、数日でも良いから何も考えずにゆっくり休みたいと夜布団に入りながら何度も何度も願っていました。

会社を辞めてひと休みしたい。そう思った事のある社会人はとても多いのではないでしょうか。

その願いは不可能なものではないものの、叶えるにはそれなりの勇気と準備が必要です。

ここでは私自身が会社を辞めてひと休みする事を選んだ理由・準備した事・実際に無職になってみてどうだったか、という体験談を書いていきます。

私が会社を辞めた理由

私は子供の頃から社会のレールを意識し、そこからはみ出さないように生きる事がもっとも安全で正しい生き方だと本気で思っていました。

大人になるにつれて徐々に和らいでいったものの、凝り固まった思考がほぐれるには時間がかかります。

だから会社を辞めてひと休みするという事に対しても、そんな事をしたらきっともう這い上がる事は出来ないだろうと、非現実的な手段としか思えませんでした。

そんな私が何故会社を辞める決心をしたのか、それは労働環境に適応する事が出来なかった事が原因でした。

無理をする働き方は長続きしない

私の入社した会社は、社員同士の人間関係は基本的に良いものの、ベンチャー企業で社員の勤務時間の管理もガバガバな、長時間労働が当たり前のところでした。

朝6時~22時頃まで働く事や、日付をまたぐまで会社に残っても仕事が終わらない事もたびたび。

業務内容や人材不足の影響で、とても社内規定に定められた勤務時間内に終わる仕事ではありませんでした。

ここまで明らかに勤務時間がおかしいと、すぐに別の会社への転職を考えそうなものですが、私には出来ませんでした。

入社したら3年は勤めるべきとか、

何のスキルもない自分が他所へ行ってやっていけるのかとか

そういう一般的な不安があったからです。

私は入社してから3年間営業職として働いていました。

気が弱いくせに新規開拓営業のテレアポをやり、毎日電話口の相手の反応にダメージを受けながらなんとか食らいつく日々。

時間をかけて成長し、何とか人並みレベルまでにはなったものの、とても他所で通用するとは思えませんでした。

そして残りの2年で別の仕事も任せていただきましたが、そこでは更なる業務量の増加と、運悪くパワハラ気質の先輩と仕事をする事になったのも重なり、精神的に落ち込む事が増えていきました。

最終的には、「このままだと心が病んで元に戻れなくなる」そんな恐怖を抱いて辞める事を決めました。

転職活動なんて、時間的にも精神的にも余裕があるはずもなく、次を決めずに退職する事になりました。

退職にあたって準備をしたこと

私が退職を視野に入れ始めてから準備をした事は、とにかく自分の不安を少しでも解消する事です。

大きく分けて3つのポイントで準備を行いました。

  1. お金の事
  2. 本当に退職して良いのか?意志を固める事
  3. ひと休み期間に何をするのかざっくりでも考えておく

それぞれ詳細をお話していきます。

お金の事

退職してしばらくの間無職になると考えると、まず思い浮かぶのがお金の心配です。

今の自分の貯金でどのくらい持つのか、退職してからもらえるお金はあるのか等考えておく必要があります。

お金の不安を解消する為に整理した事は3つです。

  1. 自分の貯金だけでどの位生活が出来そうか。(一か月の大体の生活費を把握して予想をつける。)
  2. 退職後にもらえるお金はあるか。(雇用保険の失業給付・退職金の有無等)
  3. 国保や税金でどの位のお金が出ていくか。(減免制度の有無も含めて)

このように自分なりに調べたり情報を整理したりしていると、意外と何とかなりそうだとか、どの位バイトをすれば食いつなげそうとか、退職後のお金の流れが見えてきます。

不安の正体は、「知識がない事」や「整理できていない事」である事が多いので、私はこれでだいぶお金の不安が和らぎました。

ちなみに、私は退職して少しした頃に運よく結婚する事になり、夫と二人暮らしをする事で出ていくお金を予定より抑える事が出来ています。(ありがたや)

もし、退職後に頼れるところがあるならそれも視野に入れるとより動きやすいかもしれません

本当に退職して良いのか?意志を固める事

退職しようと一度決めても、

もっと続けた方が良いんじゃないか、とか

やっぱり無職になるなんて危険ではないだろうか、とか

もっと頑張れるんじゃないだろうか、とか

モヤモヤと迷いが生じます。

迷いがあるままだと、会社の引き留めにあった時に揺らいでしまったり、引き継ぎ期間中に必要以上に「辞めない方が良かったのでは…」と不安を抱えてしまいます。

私は自分が優柔不断で周囲の意見に流されやすい自覚があったので、自分の中で

「何故退職したいのか」

「退職して手に入れたい状態」

を言語化するようにしていました。

頭の中でふわっと考えているよりも言語化する事で、気持ちが揺らいだ時に「何故退職を選んだのか」という目的に立ち返る事が出来るからです。

私は、

「今の会社で働き続けても自分にとっていい未来は来ないと確信したから」

「退職したら、まずはゆっくり休んで生活を整えたい。その上で自分がどんな働き方をしたいかを見極めたい。今までの凝り固まった思考の枠を外して、もっと自由に生きる方法を見つけたい。」

というような感じで目的を整理し、揺らいだ時は思い返すようにしていました。

また、建前でも良いから会社に伝える退職理由を固めておくのもオススメです。

私は、自分の本音をそのまま伝える自信が無かったので、挑戦したい仕事がある為、と伝えました。

少し後ろめたさは感じましたが、面接対策のように何か質問されてもスパッと答えられるように退職理由(挑戦したい理由や何故このタイミングか、等)を作ってから上司に申し出た事で、上司や役員、社長との面談もスムーズに進んだなと感じます。

ひと休み期間に何をするのかざっくりでも考えておく

これは先ほどの退職の意志を固める上でも役にたったなと思います。

とりあえず一日中好きな本を読み漁ろうとか、

時間を気にせず好きなだけ寝たり起きていたりしようとか、

なかなか予定が合わなかった友達に会いに行こうとか、

面白そうなバイト片っ端からやってみようとか…

なんでもいいと思います。

退職してから実行するかどうかは置いておいて、少しでも楽しみになるような妄想を膨らませておくと、本当に良いのかな…と弱気になった時に励ましてくれます。

退職して数カ月経った感想

退職してから丸三カ月が経ちました。

思っていた程無職生活は恐ろしいものではなく、穏やかに過ごせています。

運よく結婚し、一人ではなく夫と生活できている事もその理由のひとつだとは思いますが。

会社から離れてみて、苦しみながらもあの生活にしがみつき続けていた自分が、いかに視野が狭まっていたのか実感する事ができました。

会社を辞めても私は生きているし何なら、ちゃんとしたご飯を作って食べる・丁寧に歯を磨く・ゆっくりお風呂に入る…等、以前より人間らしい生活ができていると思います。

そして、会社に所属していた時は見えていなかった選択肢に気が付けたりもっと自分の思う通りに生きて良いんだと思う事が出来るようになりました。

自分がどこに行きつくのか先が見えない不安もありますが、せっかく社会のレールから脱線したので、試行錯誤して新しい仕事を見つけていこうと思っています。

まとめ

今の仕事で辛い思いをしている人や、このままでいいのかとモヤモヤを抱え続けている人はきっと世の中に多くいると思います。

もちろん、わざわざ無職にならなくても、働きながら転職活動が出来たり将来についてじっくり考えたりする事が出来ればそれに越したことはありません。

でも、それが出来る状況にいない人、一旦自分をまっさらな状態にする事で道が開ける人もいるはずです。

限界を迎える前に社会人をひと休みする、という事も選択肢のひとつとして持っておいて損はありません。

人生の多くの時間を占める”働く”という行為が、苦しいものではなく、自分らしい人生を生きる手段のひとつになる事を目指して、私自身も引き続きもがいていこうと思います。

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